ないモノを勝手に命名すると神様気分を味わえて楽しい

大矢根 翼

会社員時代のブログ趣味が高じてライターになり、ライターの仕事をしていたら開発が楽しくなり、気付けばギルギルタウンでいろいろやっている。
いまだに「Twitter」「RT」「ふぁぼ」と言い募る守旧派。
趣味はクルマとサバゲーとPCゲーム。

こんにちは。クリエイティビティ大矢根です。

初めて鯛を見つけた人は「この魚を”鯛”と名付けよう」と思ったんでしょうね。
そのくらい僕にもできるし。なめんなし。

最近名前の初出少なすぎ問題

みんな知ってる名詞だけで会話しすぎでは?

「コアラ」「机」「コーヒー」。

もう言い飽きたでしょ。
しかもみんな辞書とかいう本が森羅万象を記述していると思い込んで、ありがたそうに本棚の隅っこへ置いているんです。

いやいや、あんた一生辞書の中にある単語だけで生きていくつもりですか?
でも、そう言うとこんな反論が返ってきそうです。

「新種の動物とか見つかれば普通に覚えますけど?」

そういう話してるんじゃねえんだよなあ。
なんかこう、「覚えられなくていいから名詞をポコジャカ作った方が楽しい」みたいな話なんだよなあ。

だって考えてみてくださいよ。
これまでの名詞って一度命名したら半永久的にそれで固定されるんですよ。

「ピラミッド」とか5000年くらい「ピラミッド」をこすってますからね。
ヤバない?腐らない?シリカゲル入れてる?

しかもだいたい新しい名詞を作るときは既存の名詞を切った貼ったして作るもんだから、クリエイティビティの欠片もないですよね。
「スベスベマンジュウガニ」とか斬新そうで「スベスベ」以外既存名詞のつぎはぎですから。

もっと街中で斜め上を指さして「あ、”ぜぬ”だ」とか言える世界でもいいんじゃないかと思うわけですよ。

「ぜぬ」は、ハトの群れが子どもに追われて飛び立つとき、逆方向に飛んじゃった個体が慌てて本隊に合流すべく急加速している様子のことで、いま考えました。

僕のオリジナル名詞8選

それでは僕が考えたオリジナル名詞をご覧ください。

①ポリヌツァト

「ポリヌツァト」はゴーグルなどに塗る曇り止めの効果が切れてきたことを感じつつも、塗り直すのが面倒で粘っている時期を指す言葉です。
最後に塗ったのいつだっけな~。そもそもどこにしまったっけな~。買い直すか?でも絶対どこかにあるんだよな~。という葛藤が生み出す不便な日々こそが「ポリヌツァト」です。

②難県

「難県」は主に岩手県、宮城県、長崎県、鹿児島県、沖縄県を指す単語です。
印刷に頼らずにこれらの県を描く場合、東北組はリアス式海岸が、九州組は異常に多い島々が描画を阻みます。

特に長崎県はやたらと入り組んだ島を描かないと表現が成立しないという問題を抱えており、最悪島嶼部の描画を諦めても表現が成立する鹿児島、沖縄とは一線を画します。

③”邪” を “しんにょう” で囲む「るうぷ」

私怨です。
字の形から察してください。

④ひらめき

「ひらめき」は、学生時代に好きだったけど付き合えなかった女の子の名前をインスタで検索したら、夫と思しき人と手をつないだ後姿をアイコンにしていて、ストーリーが更新されている枠も表示されているのにそれを開けずにそっとTwitterに戻るお前です。

ちなみに新名詞にレギュレーションはないので、既存の名詞と被っても全然OKです。
だって日本語って同音異義語だらけで「こうせい」とか何個あるんだよって感じだし。

⑤?>

「?>」は、19進数の13番目です。
19進数は繰り上がったときの10進数換算値がパッと見素数に見えがちなキモい進数です。

それでも華氏やヤードよりはマシだと、ファカトンゴヌパイア島(後述)の少数民族が頑なに使っているという説を作りました。

⑥ドガシ

「ドガシ」は、片栗粉の水溶液を5000気圧まで加圧すると発生する状態です。
「ドガシ」は固体、液体、気体、プラズマに次ぐ「第五の状態」で、分子密度が均一にもかかわらず、内部が流動的で外部が硬直した「カニクリームコロッケ」みたいな状態です。

⑦ファカトンゴヌパイア連邦

「ファカトンゴヌパイア連邦」は、アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島の南500kmに位置する人口360万人の島国です。
政体は立憲君主制で、王は連邦を構成する諸侯の代表による選挙で選出されます。

主要産業はモンスーン気候を活かした風力発電ですが、最も近いハワイまでの送電網がモンスーン気候によって頻繁に破損するため、国内では「電気余り」が頻発。
仕方がないので国中にネオン管を設置して夜の街を盛り上げる内需振興策を取っています。

⑧パタゴニアのパラドックス

「パタゴニアのパラドックス」は、南北に細長いチリが東西分裂を繰り返した場合、チリとアルゼンチンの南端部にあたるパタゴニア地域の幅が原子よりも小さくなってしまい、独立側が主張する領有権の客体が消滅してしまうという思考実験です。

転じて「パタゴニアのパラドックス」は、「相手から何かを奪おうとすると、そもそもの分け前がなくなってしまう」という意味で用いられるようになりました。



いかがでしょうか?皆さんもこれから「ない名詞」を作って周囲の人とのコミュニケーションを玉濁させてみてください。

「玉濁」は、なんとなく言いたいことはわかるけど正直何を言っているのかわからない。でもそれを口にすると自分が無知であると疑われるのではないかと全員が思い込んだまま話が進んでいくときの空気です。今考えました。