年々、時間が経つのは早くなるものだと言うけれど、
2025年は少し違った。
不思議と、いつもより長く感じた一年だった。
創業から4期目。
これまで頭の中で何度も組み立ててきた構想や、
まだ言葉にもなっていなかった感覚が、
ようやく「現実の動き」として立ち上がり始めた。
霧が晴れたというより、
道筋が“見える距離”まで近づいてきた。
そんな感覚だ。
自分を信用しすぎてはいけない
ただ一方で、
道筋が見えてきたからといって、
自分自身ほど信用しちゃいけないものはない!とも思っている。
私は一度、
「これは絶対にうまくいく」と信じ切った状態で、
盛大に外したことがある。
ジーンズ屋として起業したときのことだ。
アフリカとジーンズを絡めたプロジェクト。
全国の人のところへ無料で手売りに行くという販売スタイル。
当時の私は、それらすべてが
“正しい未来”に繋がっていると信じて疑わなかった。
ビジネスをよく知っている人からは、
ほぼ例外なく「うまくいかない」と言われた。
正直に言えば、
そんなに詳しくない人からも同じことを言われていた。

ブッシュに消えた登山
今振り返ると、あれは登山だった。
立派な登山道が目の前にあるのに、
私はなぜか脇のブッシュに消えていった。
「こっちの方が早い」
「誰も通っていないからこそ意味がある」
そう信じて、全力で走った。
結果、辿り着いたのは山頂ではなく、余裕で海だった。
船頭は私一人だけだったはずなのに、
気づけば船もない場所に立っていた。

王道ど真ん中を進む
だからこそ、今は大丈夫だと思えている。
今はちゃんと、
王道ど真ん中のルートで山頂を目指しているつもりだ。
ここで言う王道とは、
派手さはなくても、再現性があり、説明できる道のことだ。
誰が見ても理解でき、
誰に聞かれても理由を言語化でき、
アクシデントがあっても前に進める。
一つ一つ確実に、
人と時間と資本が正しく積み上がっていく道。
かつての私は、
「王道=凡庸」「我が道を行く=正解」だと勘違いしていた。
でも実際は逆だった。
王道は、最も難しく、最も忍耐が必要で、
だからこそ最も遠くまで連れていってくれる。
今は、エンジンもある。
航海士もいる。
測量士もいる。
だから、きっとうまくいく。
あとはたった一つ。
我々が
「山を船で登ろうとしている」
その勘違いを、
静かに指摘してくれる人さえいれば。
進めようとした一年
できる仕事は確実に増えた。
内容も、規模も、関係者も。
一度始めた案件を、
関わる全員の最大出力まで持っていくこと。
そして、その状態を気持ちよく維持し続けること。
言葉にすると簡単だが、実際は難しい。
それでも今年は、
会社一丸となってそこに向かおうと動けたと思う。
改善点だらけでも、
「進めようとし続けられた」一年だった。
社内外を問わず、
本当に素敵な人たちと多く出会えた。
子供と、人生と
この一年は人生の中でも大きなポイントだったと思う。
子供は2歳になり、
毎日のように新しい言葉を覚えていく。
その姿を見ながら、
自分の成長の過程で取りこぼしてきたものを、
もう一度やり直しているような感覚になる。
子育てと、仕事と、人生。
まったく違うようでいて、
人がどうやって学び、
どうやって信頼を積み上げ、
どうやって前に進むのかという点では、
驚くほど似ている。
そんなことを考える時間が、
自然と増えた一年だった。

2025年に起きた、すべての出来事に感謝しています。
蛇行は終わり。
馬の年は、迷わず走る年になる。
皆さま、良いお年を。



